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SとМと優位と劣位

SМの関係において、「SとМのどちらが立場が上か?」という議論を見かけることがある。
SとМはあくまで加虐と被虐の嗜好であり、立場の優劣を決める要素ではないように思う。

ではSМの関係における主従はどうかといえば、基本には主と従者であるので主とそれに従う関係であるが、だからといってすべての主従がそうだというわけではない。

これはSМに限らない主従においても、実は従者のほうが立場が強く、主のほうが従者に阿(おもね)る関係は多々あるわけである。
ということは、その関係性にはどんな要因があるのか?ということで、タイトルの「依存」と立場の関係について考察してみたい。


例えて言うならば、結婚生活の亭主とかみさんの関係にも当てはまる。

最近は亭主のほうが弱い傾向があるが、それは奥さんが出てく時に旦那のほうが弱いからではないか。
つまり出て行かれて困るから、バカにされても「出ていけ」とも言えずに耐えねばならないという寸法である。

言い換えれば、旦那が人間として「自立しておらず」また家庭に「依存している」ともいえる。
自立しているならば、家庭がなくとも一人で生きていけるのであるから困らない。

テレビで二年間奥さんに家庭内で無視される旦那が「そんななら離婚する」というと、奥さんが「子供も金がかかるしお断り」というのである。
しかし、旦那からすればそんなに離婚したければ自分が出ていけばいいのである。会社で手続して振り込みの口座を変えてしまえば家庭に金が入らず奥さんは白旗である。
もし弁護士を雇って養育費を給料から抑えられたとすれば、それをよしとしなければ旦那が会社を捨ててどこぞの国内でも海外であっても行方をくらまして自分は稼いで生きていけばいいのである。

その際会社に対しても関係性がある。会社と社員において、社員が「会社を辞めたら生きていけない」となったら、それは「社員が会社に依存している」ことになり立場は弱くなる。つまり「社畜」である。
これが「納得いかなければいつ辞めてもいい」となれば対等であるが、会社のほうも「辞めさせてもいい」というドライな立場となるが、「会社を辞めても生きていける」となれば一目置くことになるだろう。

これが会社から「自立している」ことになるのだが、それはあくまで対等である。それが「優位」に立つためには「会社を自分に依存させる」ことだ。
つまり「辞められたら困る」ということが、立場が逆転して会社のほうが自分に依存して利益を確保することになるわけだ。
そうなれば、そのスキルを持って「他の会社でも仕事ができる」「職はいつでも見つけられる」「どこでも生きていける」ということになる。まさに「自立」である。

そのように「会社」「仕事」「職業」において「自立」すれば、人生においても「自立」できるわけで、当然家庭からも「自立」を勝ち取ることになる。
そうした経済的にも精神的にも「自立」した旦那からすれば必要以上に家庭に「依存」する必要はなく、対等な価値がシェアできなければいつでも別れることができ、少なくとも必要以上に「依存」することはない。

これで家庭に対して「自立」して好き勝手をすれば奥さんのほうも心を許さず、愛想を尽かしてお互いに家庭の終焉を迎えることになる可能性がある。
これがもし「自立」した旦那が家庭を欲し、その家庭で「優位」な立場になりたければ、「自立」し「依存しない」ままに、家庭に対して自分の価値を投下していくことになる。そうしてその価値に家族が「依存」したならば、「居なくなっては困る」父親として必要とされることになる。
これが「尊敬」されるのか、「疎まれ」ながら必要とされるのかは上の話とは別問題である。それは「自立」や「依存」ではなく「仁」「徳」の問題だろう。

「仁」「徳」については別で語るとして、ここで本題のSМに話を戻すとして、上のように人との関係性において「自立」「依存する・させる」が立場の優劣に結びつくと言えるだろう。
SМ、主従という関係性において、相手に必要とされること、そして自分は「自立」すること、「依存しない」こと、そして相手を「依存させる」こと、が優位に立つことなのである。

どんなに相手から求められていたとしても、自分のほうが「自立」していなくて、相手に「依存」してしまうなら、自らその優位性を放棄するのと同じである。
「共依存」というのも心地よい関係であろうが、自分が依存して相手が依存しなくなった時点で自分にとって望ましいとは言えない結末を迎える可能性は大きい。

つまりは相手に必要とされつつ、程よく「依存させ」、同時に自分の「依存をコントロール」することである。それにはまず「自立」していなければそのコントロールもままならないだろう。

立場が弱いまま、相手に依存したいという従者になるならばいいだろうが、それに従って捨てられることもある立場であることを理解しなくてはならない。
また支配したい、優位に立ちたいというならば、自分を律し、コントロールすることで相手との関係もコントロールしなければならないことを理解する必要があるだろう。
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プロフィール

keymas

  • Author:keymas
  • 東海在住の50過ぎの男性です。

    10代半ばにSМの天啓を受けw、20代半ばにしてSМの中の精神論に傾倒。

    以降、理由もわからないままSМを求めては、男性に傷つき、世間に傷つき彷徨うМ女性の道しるべとなればと気づいたことを綴っています。

    最近は更新も疎ですが、ゆっくり続けていきます。
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